『鉄道員(ぽっぽや)』などで知られる直木賞作家・浅田次郎の時代小説『壬生義士伝』を渡辺謙主演でドラマ化した傑作感動時代劇。幕末という激動の時代に翻弄されながらも、家族を愛し、義を尽くした新選組隊士の生き様をダイナミックに描き出す。時は幕末。盛岡南部藩の吉村貫一郎（渡辺）は、藩随一の文武両道の士であったが、身分は二人扶持の足軽同心で、一家は飢餓に襲われていた。脱藩を決意した貫一郎は、故郷を捨てて京へ上り、新選組に入隊する。近藤勇（柄本明）、土方歳三（伊原剛志）、沖田総司（金子賢）らの前で永倉新八と剣を合わせてその腕前を見せた貫一郎は剣術師範方の地位を得る。そして手当てを求めて浪人を斬りまくり、「人斬り貫一」と恐れられるが、全ては故郷で自分の帰りを待ち続ける妻のしづ（高島礼子）と子どもたちのためであった。新選組で一目置かれる存在となった貫一郎であったが、時流に翻弄された新選組は内部崩壊をはじめ、滅びへの道を進んでいく…。