今年11月20日で生誕110年を迎える巨匠・市川崑監督のフィルモグラフィーの中から代表的な3作品を特集。本作は、発表当時、その大胆な性の取り扱いゆえに国会で論議されるほどのスキャンダラスな話題を呼んだ谷崎潤一郎のベストセラー小説を、市川監督が大胆なタッチで映画化し、第13回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞に輝いた文芸ドラマの、TV初放送となる4Kデジタル修復版。カラーの発色を極力抑えた宮川一夫の撮影も秀逸。初老の古美術鑑定家・剣持（中村鴈治郎）とその妻（京マチ子）、さらには娘（叶順子）、娘の恋人の医師（仲代達矢）を交えた４人の奇妙な関係と倒錯した愛欲の世界を官能的に描く。※11月は「悪魔の手毬唄」「細雪」も放送