深作欣二監督、笠原和夫脚本、菅原文太主演という「仁義なき戦い」シリーズの強力チームが再結集した、東映実録ものの傑作。「仁義なき戦い」ではヤクザ役の菅原文太が末端刑事の悲哀を好演するほか、おなじみの面々が警察とヤクザに分かれて絡み合い、正義と悪とは紙一重との作り手の見解がシニカルに際立つ。暴力団の抗争の絶えぬ地方都市の刑事・久能（菅原）は裏でヤクザと通じていたが、県警のエリート警部補・海田（梅宮辰夫）が現れ、窮地に立たされる。