渋谷の公衆トイレで働く清掃員の日常を、敬意や共感を込めて見つめる人間ドラマ。「パリ、テキサス」や「ベルリン・天使の詩」で知られるドイツの名匠、ヴィム・ヴェンダース監督と名優・役所広司が組み、独身男性の淡々とした日常に潜む喜びや悲哀を情感豊かに描き、役所が第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いた。下町のアパートに住まい、渋谷の公衆トイレを丁寧に清掃して巡る平山(役所)は、規則正しく、静かに淡々とした日々を過ごしていたが、何かと物入りな同僚のタカシ（柄本時生）や家出中の姪ニコ（中野有紗）らが、平穏な毎日に変化を及ぼす。